緑茶に梅干しを入れたものを「福茶」といい、平安時代から正月や節分に飲む習慣があったようです。どんな茶葉でも美味しくつくれますが、そのなかでもとくに梅干しを入れた湯吞に緑茶を注ぎ、梅干しをフォークなどでくずしながら飲むのが「梅干し緑茶」です。この記事では梅干し緑茶の効果やメリットと、おすすめの飲み方を解説します。
緑茶と梅干しは相性抜群!
梅干しと緑茶は、どちらもビタミンとミネラルを豊富に含んでいます。緑茶にはカテキンやビタミン・ミネラルが、そして梅干しには、クエン酸やカルシウム、有機酸をはじめさまざまなビタミンやミネラルが含まれています。
これらを同時に合わせて飲むことで、梅干しと緑茶の両方の栄養を効率よく取り入れられます。
梅干しと緑茶を一緒に摂ることで、塩分と酸味が和らいで食べやすくなり、クエン酸による食欲増進や疲労回復、水分と塩分を摂取できるため、熱中症予防にもメリットがあります。
体調がすぐれないときに、「おばあちゃんの知恵袋」として梅干し緑茶を飲む風習が今でもありますが、これはとても理にかなっているといえるでしょう。風邪の引き始めには身体を温め、喉を潤す温活のサポートを、真夏でも冷房で冷えた身体をじんわりと温め、梅に含まれた塩分で熱中症を予防してくれます。
梅干し緑茶の効果とメリット
梅干し緑茶は、風邪をよくひく人や冷え性・便秘気味などの方に、とくにおすすめできます。緑茶に含まれるサポニンやカテキンは風邪予防に、梅干しに含まれるクエン酸には疲労回復や免疫力向上の効果が備わっているとされています。
さらに、梅干しに含まれるクエン酸は加熱すると、ムメフラールという血流促進効果がのある成分に合成されます。暖かい緑茶で梅干しも一緒に温められるため、ムメフラールによる冷え性などの改善につながる効果が期待できます。
そして、緑茶にも梅干しにも、それぞれ食物繊維が含まれており、腸内環境を整え便秘を改善してくれます。ビタミンEやポリフェノールなど、美容でおなじみの成分も豊富に含まれています。
肌トラブルの改善にも一役買うことが可能です。
梅干し緑茶のおすすめの飲み方
フライパンやオーブンで軽く焦がした梅干しを使った、焼き梅茶は、ひき始めの風邪や、身体の不調を感じたときに飲むとよいでしょう。梅干しを加熱することで生まれる成分が血流を改善し、代謝を促進して疲労回復にも効果があることが判明しています。
梅干しに含まれている成分「バリニン」は、脂肪の燃焼を促しますが、加熱することで、この成分は増加します。焼き梅茶は、アンチエイジングやダイエットにも大変効果が高いといわれます。
そして、80度のお茶で抽出した煎茶で、梅干しを軽くつぶしながら、少しずつ飲んでいきましょう。
茶葉は、それぞれ自宅にある好みのもので作れます。甘味や旨味が強い煎茶はもちろん、玄米茶やほうじ茶、香りの高い京番茶などでも簡単に作れます。なかでも前述した、80度で抽出した煎茶が一番高い効能を発揮するといわれています。
なお、梅干しが苦手な人は、代用品として梅酢などを使うのがよいでしょう。
梅干しにしょうが汁と醤油を加えて熱い番茶を注いだ、梅醬番茶は身体を温めてくれるので、冬に麦茶を使う場合は、はちみつ漬けの梅干しでつくる「はちみつ梅麦茶」が夏にぴったりのアレンジです。
まとめ
梅干しや緑茶にはどちらにも多種多様な効能があります。そして梅干し緑茶は、日本茶と梅干しの組み合わせで手軽にはじめられる健康習慣のひとつです。そして、梅干し緑茶は一度に何杯も呑む必要はなく、1日に1杯でよいので長く飲み続けることが大切です。
最近では、低塩分タイプの健康に配慮した梅干しも増えています。この記事を参考に、梅干し緑茶を生活に取り入れて健康的に毎日を楽しんでみてはいかがでしょうか。