もののけ姫のモデルともなった屋久島は青森県の白神山地とともに1993年にユネスコ世界自然遺産に登録されました。屋久島には今でも樹齢1000年以上の樹木が生い茂り、山奥には600種類以上の苔が生息しているともいわれています。こんなきれいな自然の中でつくられたお茶が本記事で紹介する屋久島茶です。屋久島茶の魅力を存分にお伝えします。
屋久島茶とは
屋久島茶は1993年に国内初、自然遺産として世界遺産に登録された屋久島で採れたお茶のことです。屋久島茶は最初に採れるお茶としても有名で4月の頭には収穫され、中旬には出荷されています。
屋久島の歴史
屋久島では、昭和30年頃までお茶の栽培が多く行われており、自宅栽培も流行っていたようです。そんな屋久島で屋久島茶が大量生産されるようになったのは昭和40年以降といわれています。
屋久島は美味しいお茶を作るのに最適
屋久島は気候条件がお茶づくりに適しているといわれています。お茶の栽培適地は「年間平均気温が14℃~16℃以上で、冬の最低気温が-5℃~-6℃以上であること」とされており、屋久島の年間の平均気温が19℃であることを考えると栽培適地として申し分ない温度であることが分かります。
次に降水量についてです。お茶を栽培するなら年間の降水量は1,500mm以上が必要です。屋久島は「月に35日雨が降る」といわれる地域であるため年間の降水量は3,800~4,300mmもあるのです。これは基準の2~3倍の数値であるため、よほどのことがない限り問題ないでしょう。
また屋久島が美味しいお茶を作る地域として優秀な点には地形もあります。屋久島の地形は1,000mの山が何十も連なっており、亜熱帯から亜寒帯、いわば北海道と九州が共存しているような地域になっています。そのためさまざまな植物や生物が生息しており、お茶の深みをだすお手伝いをしているのです。
屋久島茶の味わいと飲み方
屋久島茶の味わいはスッキリとした飲み口の中にしっかりとした旨味と甘味があることが特徴です。また香りも高く、日本人が美味しい緑茶としてイメージする緑茶通りの味がするといえます。ここからは屋久島茶の美味しい淹れ方を解説します。
ポットからお湯を湯のみに入れる
お茶を入れるときは、80℃くらいがよいとされています。しかしポットのお湯をそのまま急須に入れると、温度が高すぎてお茶のうまみや甘味がうまく抽出されないため、一度湯のみにお湯を注ぎます。
この工程を「ひと冷まし」といいます。80℃をどのように判断するかですが、湯のみをもったときに表面を持てない程度であることが一つの判断基準です。湯のみを持ち上げてもててしまうようでは、お湯の温度が70℃以下になっていることがあるので、沸かしなおすとよいでしょう。
お茶の葉を急須にいれる
お湯を湯のみに注いだら、湯のみが温まるまでそのままにしておいて、次はお茶の葉を急須に入れましょう。このときの茶葉の量は「ティースプーン一杯×人数」で分かります。この量はあくまで基準値なので濃い目で飲みたい方はもう一杯足しても構いません。
抽出時間を確保・注ぎ分ける
急須に茶葉をいれたら、先ほど湯のみに注いだお湯を急須にいれます。このときお湯を入れてからすぐに注ぎ分けるのではなく、抽出時間を取ることが大切です。屋久島茶の抽出時間は20~30秒程度です。抽出時間には注ぎ分ける時間も含まれているため、20秒程度経ったら注ぎ始めてください。これで屋久島茶を入れることができました。
まとめ
今回は雄大な自然に囲まれた屋久島で採れる屋久島茶を紹介しました。屋久島の自然で育ったお茶はどのような味がするのか一度は飲んでみたいですよね。またこの記事では美味しい淹れ方も紹介しているので、茶葉が手に入った際にはぜひこの記事を活用して、屋久島茶本来の味わいを楽しんでみてください。しっかりとした旨味と甘味を感じられるはずです。