ロシアンティーというと、日本では紅茶にジャムを入れたものと思われがちですが、本場ではスプーンに乗せたジャムを舐めながら紅茶を飲むのが正統です。変わった飲み方ですが、ジャムを変えるだけでさまざまな味を楽しめます。今回はそんなロシアンティーと、ロシアンティーによく合うジャムについても解説します。
ロシアンティーとは?
寒さの厳しいロシア圏では、保存食として果実のジャムを常備した家庭が多くありました。そして砂糖は貴重品でもあったのです。そのため、砂糖の代わりにジャムを舐めながら紅茶を飲むようになったのが、ロシアンティーのはじまりともいわれています。
ロシアは伝統的に紅茶文化の国であり、金属製の紅茶専用沸かし器「サモワール」で沸かしたお湯で紅茶を濃い目に出して、熱湯を加えて薄めて飲むのが主流です。中央に燃料を淹れ、周辺の空洞に水を注いで熱湯をつくるこの暖房も兼ねたこの器具が、寒いロシアの冬に紅茶文化を定着させたといえます。近年では普通のティーポットと魔法瓶がよく使われるようになりました。茶葉は北コーカサス地方、あるいは、ジョージア(グルジア)とアゼルバイジャンで生産されたものがほとんどです。
日本でおなじみになった「紅茶にジャムを入れる」飲み方は、ウクライナやポーランドで親しまれています。寒さの厳しいロシアでは、熱々の紅茶にジャムを入れてしまうと少し冷めてしまうため、ともいわれています。そして日本でジャム入りの紅茶を連想する人が多いのと同様、アメリカではオレンジなどのジュースやシナモンを加えた甘い紅茶のカクテルが、イギリスではラム酒などとレモンを加えた甘い紅茶が「ロシアンティー」と呼ばれているのです。
ロシアンティーの飲み方のポイント
まず、ティーポットをよく温めておきます。そして茶葉をいれて熱いお湯を注ぎ3分ほど蒸らします。その間にジャムを用意し、お酒を飲んでもよい場合に限りウォッカなどでジャムをのばしましょう。そして3分蒸らしてあった紅茶をカップに注いで、用意したジャムをスプーンで舐めながら紅茶を味わいましょう。
ロシアンティーを美味しく淹れるポイントは、ジャムの風味に紅茶が負けてしまわないように、濃い紅茶を淹れることです。寒さが厳しい日にはウォッカなどを入れて身体を温めるとよいでしょう。
ロシアンティーにおすすめのジャム
ジャムの王道ともいえる「いちごジャム」「ブルーベリージャム」などでは、果実の香りや酸味が紅茶の甘さを引き立てて、より紅茶が引き立ちます。果肉の酸味が強すぎる時は砂糖を加えてマイルドに美味しく飲むこともできます。
そしてりんごが沢山出回る時期であれば、煮詰めて甘さをぐっと凝縮した「りんごジャム」も紅茶をより引き立ててくれます。栄養が豊富で、毎日の紅茶に入れて飲むことで身体にも優しい飲み物になるのです。
果実ジャム以外のおすすめはバラの花びらでつくった「ローズジャム」です。バラの華やかな香りで、リラックス効果が期待できます。またバラには美肌効果もあり、女子会のお供などにぴったりのお茶といえるでしょう。成人している場合、ジャムだけではなくブランデーを入れると寒い時期でも身体が温まる冬用の飲み物になります。
柑橘系の紅茶であるアールグレーにぴったりなのは同じく柑橘系の香りが爽やかな「マーマレードジャム」です。互いに引き立てあい、フルーティーな魅力を味えます。
まとめ
ロシアンティーはまだまだ日本では主流とはいえません。しかし紅茶の茶葉を変えることをしなくても、ジャム次第でまったく異なる味になります。いつもの紅茶に少し飽きが来た人にもおすすめの飲み方です。そして紹介したジャムのほかにも紅茶と相性のよいものはまだたくさんあります。色々試してみて、自分ならではのお気に入りの組み合わせを見つけてみましょう。