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釜炒り茶って知ってる?豊かな香ばしさが魅力のお茶をご紹介!

公開日:2022/07/01  


ふだんあまり耳にすることのない“釜炒り茶”という言葉。その名称から釜と関係あることは何となく想像がつくものの、その先が分かりません。調べてみるとどうやらとても貴重なお茶であるようです。普通のお茶と一体何が違うのでしょう?歴史や製造方法などを交えながらご紹介します。

そもそも釜炒り茶とは

まずは「釜炒り茶とは?」という素朴な疑問からお答えしましょう。そもそもお茶は大きく“不発酵茶”“半発酵茶”“発酵茶”3つの分類にわけられます。紅茶は発酵茶、ウーロン茶は半発酵茶、そして緑茶は不発酵茶です。

そして不発酵茶は通常生葉を蒸すか炒るかによって酸化酵素の働きを止める製法を取りますが、釜炒り茶は直火で熱した鉄の釜で炒ることで発酵を止める製法でつくります。元々日本では釜炒りの製法が主流でしたが、製造に手間がかかるため、煎茶が登場するとその地位を奪われ、現在では緑茶生産の1%にも満たないといわれています。釜炒り茶を全国でもっとも製造しているのは宮崎県で、ほかには佐賀県、長崎県、熊本県などごく一部の地域でしか作られていません。

伝統が失われつつある今、とても貴重なお茶であることがよく分かります。釜炒り茶の生産地として有名な宮崎県の高千穂郷・椎葉山地域は、平成27年に国際連合食糧農業機関(FAO)より世界農業遺産の地域として認められました。釜炒り茶の特徴としては、釜で炒ることによって生まれる釜香(かまか)と呼ばれる独特のこうばしい香りと、釜の中でかくはんしながら乾燥させることによって茶葉がくるっと丸まった形をしていること、そして後味がすっきりしていることなどが挙げられます。

釜炒り茶の歴史

釜炒り茶の起源は中国で、明の時代に釜炒り茶製法が確立したといわれています。日本に入ってきたのは地域によってさまざまですが、1400年から1600年代の間に九州に広がったという説が多いようです。現在でも九州での生産農家が多く残っているのは、その伝統を引き継いでいるからではないでしょうか。当時の日本でお茶といえば、それぞれの家庭で茶葉を天日干しし、煮出して飲んでいましたが、品質はあまりよくありませんでした。

その後中国から質の高い釜炒り茶が入ってくると、日本全国に普及し、緑茶の主流となりました。しかし江戸時代に入って永谷宗円(ながたにそうえん)が煎茶の製法を開発すると、つくるのに手間がかかる釜炒り茶は敬遠されるようになり、生産量が一気に減ってしまいます。明治時代に入るころには蒸し製の煎茶が主流となっていきました。一方中国では今でも釜炒り茶のほうが主流のようです。

煎茶とは異なる製造方法

手間がかかるといわれる釜炒り茶ですが、煎茶の製造方法とどのように違うのでしょうか?大きく異なるのは、煎茶が茶葉を高温で蒸して酸化酵素の作用を止めるのに対し、釜炒り茶は約300度に熱された釜に茶葉を入れて炒ることで酸化酵素を止めるというところです。釜で直接炒ることによって、茶葉がねじれて丸みをおびた形状に仕上がるのも特徴です。かつてはすべて手作業で行っていた釜炒り茶ですが、現在は機械を導入しながら効率的に行っているお茶農家もあるようです。昔と現代の作業を比較しながら、釜炒り茶の製造方法をお伝えします。

■茶葉の収穫

新鮮な茶葉を収穫したら、風通しのよいところに放置して葉をしおらせます。

■炒る

釜を約300度に熱し、茶葉を釜の中に入れ、発酵を止めます。その時間は約2~3分ほど。この火加減と仕上げは技の見せどころです。

■揉捻(じゅうねん)

茶葉を揉むことで、葉に含まれる水分を均一にします。昔はすべて手もみで行っていましたが、現在は揉捻機を使って、圧力を加えながら揉むことで茶葉の水分を表に出し、茶葉の細胞を壊して成分を出やすくします。

■乾燥

昔は茶葉を手で揉みながら乾燥させていましたが、現在は中揉機(ちゅうじゅうき)を使って揉みながら温風を使って乾燥させるのです。昔は完全に乾燥させるまで手で炒っていましたが、現在は火入れ機という機械を使って火を入れることで水分と青臭さを飛ばし、香りを引き出します。また茎を取り除いたり、葉の選別を行ったりして整形して仕上げます。

 

こんな工程を経て作る日本に希少な釜炒り茶のため、ぜひおいしくいただきたいですね。こうばしい香りを味わうためにも、少し高温(約80度)のお湯に入れて1分蒸らして飲むのがおすすめです。1杯目、2杯目とお湯を注ぐごとに茶葉が開いてくるので、香りの変化を楽しむことができますよ。

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