「プーアル茶ってどんなお茶?」「よく聞くお茶の名前だけれども、あまり飲んだことがない」そう考えている方もいるかもしれません。プーアル茶とは、中国南部の雲南省を原産地とする中国茶です。今回はプーアル茶とはどのようなお茶なのか、プーアル茶の産地や原料とは何かについてまとめます。
そもそもプーアル茶とは
プーアル茶は中国茶の一種です。中国では独自のお茶文化が発展しており、現在の中国茶は6つの色で区分されています。緑茶(リョウチャ)、白茶(パイチャ)、黄茶(ファンチャ)、青茶(チンチャ)、紅茶(ホンチャ)、黒茶(ヘイチャ)の6つです。
緑茶はもっとも生産量が多いお茶で、釜で炒ることで発酵を止める不発酵茶です。白茶、黄茶、青茶、紅茶の順に発酵度が増していきます。日本で人気があるウーロン茶は青茶の一種です。黒茶は熟成した茶葉に微生物を植え付け、発酵させた後発酵茶です。長期保存に耐え、古いものの中には高額で取引されるものもあります。
黒茶で日本でも知られているのがプーアル茶です。後発酵の仕方によって、生茶と熟茶にわけられます。生茶は長期間かけてじっくり発酵させたもので年代を経るごとに味は深みを増します。希少価値が高く高額取り引きされるのは生茶のほうです。
一方、1973年頃から生産されるようになったのが熟茶です。麹菌を植えつけて発酵させるもので、生茶よりも短時間でつくれます。一般的に出回っているのは熟茶です。プーアル茶は急須で淹れるかポットで沸かした湯を使って淹れるなどして飲みます。風味が苦手な人は、少なめの茶葉で淹れてもよいでしょう。
プーアル茶の産地や原料
プーアル茶はどの地域で生産されているのでしょうか。ここでは、産地や気候、原料、形状などについて紹介します。
■プーアル茶の産地
プーアル茶の生産がさかんなのは中国南部の雲南省です。中でも雲南省普洱市、臨滄市、西双版納(シーサンパンナ)タイ族自治州はプーアル茶の産地として名高い場所です。とくに普洱市は中国語でプーアールと読み、プーアル茶の語源となっています。また、普洱市は古くから茶馬古道が通るなど、お茶と縁が深い町です。
■プーアル茶が育つ雲南省の気候
雲南省は低緯度にありながら、1,000~2,000mの高山地帯にあります。そのため、1年の気温差が少なく年中温暖です。5月から10月は雨季で、年降水量の80~90%がこの時期に降ります。気温の差が少なく温暖で十分な降水量がある雲南省は茶の生育に非常に向いた土地だといえるでしょう。
■プーアル茶の原料
原料となるのは雲南大葉種です。雲南省で栽培される茶の品種で中国でも優良な茶として知られています。雲南大葉種は成長すると5~6mに達します。葉の長さは13cmほどで、横幅は5㎝。葉肉は厚く柔らかみがあります。ただし、耐寒性はとぼしく、-5℃を下回ると深刻な被害を出します。
■プーアル茶の形状
茶の形状は茶葉を固めずバラバラの状態のままとする散茶と、一定の形に固める緊圧茶(固形茶)にわけられます。緊圧茶には餅のような餅茶、おわん型に固められた沱茶、レンガ状の磚茶、四角く成形された方茶などがあるのが特徴です。
プーアル茶の成分
主な成分はカフェインやサポニン、カテキン、タンニン、ビタミンB1、B2、カリウム、鉄、マグネシウム、リパーゼなどです。中でもリパーゼは脂肪燃焼効果があるため、ダイエットに効果があるとされます。また、発酵過程で生じる没食子酸などは体の中の老廃物の排出を促進するとされ、こちらもダイエットに有効な成分だとされます。
今回はプーアル茶がどんなお茶か、産地や原料、成分がどうなのかなどについて解説しました。プーアル茶は熟成することでうまみが増すため、自然熟成させた生茶は高値で取引されています。また、茶の成分には脂肪燃焼を促進するリパーゼが含まれているため、ダイエット効果があるとされてきました。味に癖があるため苦手とする人もいますが、茶葉を減らすなどすれば飲みやすくなりますので、一度試してみてはいかがでしょうか。