ダージリンは、紅茶全体の2%を占めるほど広く流通している、世界的にも有名な茶葉です。しかし一言でダージリンといっても、実は1年の間に3つのシーズンがあり、それぞれ異なる味わいを楽しむ事ができます。ではティーサーバーをレンタルするなら、それぞれどのような特徴があるのか知っておいた方がよいので、詳しく見ていきましょう。
3~4月に収穫されるファーストフラッシュの特徴とは
毎年春先3月の中旬から4月の中旬にかけて、休眠後最初に出てきた茶葉で作られた春摘みがファーストフラッシュです。まだ春の芽吹いたばかりの小さな茶葉を丁寧に摘んで作られるため、浅緑色の葉っぱがたくさん混じっています。そして産地でも収穫量が非常に少ないため、値段が他のものより比較的高いです。
とくに日本やドイツでこのファーストフラッシュは好まれていて、多く消費されています。カップに注いだ時の色は淡く澄んだ薄いオレンジで、ミルクや砂糖等は何も混ぜずに、そのままストレートティーで味わいながら飲むのがおすすめです。
飲むと非常にシンプルでさわやかで、茶葉の若くそして力強い香りを楽しむ事ができます。さらに紅茶にもかかわらず、まるで緑茶のように渋みのような旨味が広がるのもファーストフラッシュの大きな特徴の1つです。そのため紅茶愛好家の中には、あまり口に合わないという人も少なからずおり、好き嫌いの好みがわかれる味でもあります。
5~6月に収穫されるセカンドフラッシュの特徴とは
5月から6月にかけて、大きく成長する茶葉で作られる夏摘みがセカンドフラッシュで、最もおいしくなる収穫時期でもあります。産地であるインド北東部西ベンガル州北部に位置するダージリン地方の濃い霧に包まれて育ったため、茶葉は味も香りも、そして色もすべてがバランスのよい最高級品になります。
とくにカップに注いだ色は明るく、まるで琥珀のような濃いオレンジ色の美しさが特徴です。そして味は飲むと、すっきりとした渋みとコクがより一層増して、さらに切れのある味わいと後味のよさがします。香りもマスカットのような香りがして、すべてのシーズンの中でも最も人気が高いです。
このようにセカンドフラッシュは、品質が高いだけでなく、華やかな味わいとマスカットのような香りがする事から、紅茶の女王と呼ばれています。そのため、ティーサーバーをレンタルして飲む場合、セカンドフラッシュもファーストフラッシュと同様、ダイレクトに味わえるストレートで飲むのがおすすめです。
10~11月に収穫されるオータムナルの特徴とは
9月の下旬から11月初旬の秋口、産地の雨季が終わった後の乾燥期に、ほんのわずかですが良質の秋摘みの茶葉オータムナルが作られます。茶葉は厚くしっかりしているのが特徴です。香りは他の時期より多少薄くなりますが、カップに注いだ時の色は、より赤みがかった濃いオレンジ色になります。
そして飲むと味は、ダージリン特有の独特な渋みが大分増し、穏やかで深い味わいがするのも特徴です。全体的に香りもあり、コクも増して濃厚で渋みもあるため、ティーサーバーをレンタルして飲む場合、ミルクや砂糖を入れて飲むとまろやかになって飲みやすいです。
もちろんこのオータムナルもストレートで飲んでも美味しいですが、多少クセもあるため、紅茶好きでも好き嫌いがわかれます。一昔前だと、オータムナル自体は収穫量が少なく、品質も中級品として扱われる事が多かったため、ダージリンブレンドの原料として使用されていましたが、最近では少しずつ人気も出てきたため、単体で販売されるようになっています。
ダージリンの特徴は、3つのシーズンによってそれぞれ異なります。春摘みのファーストフラッシュは若さを感じられ、夏摘みのセカンドフラッシュは、色も味も香りも全体的なバランスがよいです。そして秋摘みのオータムナルは、色も味も香りも強いため、ストレートではなく砂糖やミルクと一緒に飲むとよいです。それぞれ特徴が異なるので、ティーサーバーをレンタルするなら、紅茶の種類の知識は身につけておきましょう。