そのぎ茶は、豊かな海と山々に囲まれた長崎県の東彼杵町で生産されているお茶です。生産量が全国的に少なく、希少価値が高いお茶といわれております。全国茶品評会・蒸し製玉緑茶部門において2017年より4年連続で農林水産大臣賞を受賞し人気を博しています。本記事では、今話題のそのぎ茶の魅力についてくわしくご紹介します。
そのぎ茶の正式名称は蒸し製玉緑茶
そのぎ茶は、玉緑茶という種類に分類され正式名称は蒸し製玉緑茶といいます。別名ぐり茶とも呼ばれています。そのぎ茶の茶葉は、一般的に飲まれている煎茶の茶葉の形状が針状の形をしているものとは異なり匂玉のように丸みを帯びています。茶葉が丸く緑色の艶が深いため、香りや旨味が強いという特徴があります。
また、そのぎ茶が育つ茶畑では水源の森百選に選ばれた多良岳から流れるきれいな水が上質な風味を作り出しています。お茶を入れる際には、急須の中で葉がゆっくり開くことにより旨味を抽出していくため、注ぐたびに味や香りが変化し最後の一滴まで楽しむことができます。
そのぎ茶の収穫時期
そのぎ茶の収穫時期は、例年4月半ばから下旬頃からはじまり、八十八夜の5月2日前後に収穫のピークを迎えます。一番茶(新茶)の摘み取りは、5月上旬までで6月中旬頃から二番茶の収穫がはじまります。
そのぎ茶の歩んできた歴史
江戸時代の1654年に中国の明から長崎に渡った隠元禅師が釜炒り茶の製法を伝承しました。それを機にお茶が庶民の間に普及します。さらに大村藩主の奨励により畑での栽培も盛んになりました。幕末には女性貿易商の大浦慶がイギリス商人とともにお茶を海外へ輸出しました。
これにより日本茶の存在が知れ渡り紅茶の代替品として世界で日本茶ブームが起こったといわれております。
そのぎ茶の美味しい飲み方
そのぎ茶は、釜炒り茶の製法を継承した蒸し製緑茶と呼ばれる仕上げで、渋みをおさえたまろやかな味わいが特徴です。そのぎ茶の魅力を存分に引き出すために、美味しい淹れ方をご紹介します。
ポットからお湯を湯のみに入れる
そのぎ茶をいれるときは、70℃の温度がよいとされています。渋みの成分がお湯に溶け込むことなく甘いまろやかな味わいで飲むことができます。熱湯を注ぐとタンニンの渋みが出てしまい、そのぎ茶の甘みが失われます。そのためポットからお湯を注ぐ前に一度湯のみにお湯をそそぎます。この工程は「ひと冷まし」といいます。
まず、人数分の湯のみにお湯を60mlから80ml(8分目)ほどいれて1分ほど冷まします。70℃の判断基準ですが、湯のみを持ったときにあたたかいと感じる程度が1つの判断基準となります。
お茶の葉を急須にいれる
次にお茶の葉を急須にいれます。茶葉の量は「ティースプーン1杯(2グラム)×人数」となります。深蒸し茶は、濃くでますのでお好みにあわせて分量を加減してください。お茶の葉の量を調節して、自分の好みを探してみるのもよいでしょう。
抽出時間を確保・注ぎ分ける
急須に茶葉をいれたら、先ほど湯のみにいれたお湯を急須にいれます。約1分、お茶の葉が開くまで静かに待ちます。茶葉の分量により1分より短い時間で濃くでる場合があります。自分の好みでお茶の濃さを調整しましょう。
また、急須を揺らすとお茶の苦みの成分が出ますので注意が必要となります。約1分後、急須から湯飲みに均等にお茶をそそぎます。少量ずつ湯のみにそそいでいくのがポイントになります。
最後の1滴まで絞りだすようなイメージでそそいでいきましょう。複数の湯のみにそそぐ時には、交互にそそいでいきましょう。2煎目以降は、10秒から20秒の時間でそそいでいきましょう。そのぎ茶は、3煎目以降も楽しむことができます。これでそのぎ茶をいれることができました。
まとめ
今回は、長崎県の東彼杵町の大自然で育ったそのぎ茶の魅力や美味しい飲み方についてご紹介しました。そのぎ茶は、4年連続で日本一に輝いた日本を代表するお茶です。渋みを抑えたまろやかな味わいで、お茶のいれ方で味わいや香りが変化するのが特徴になります。そのぎ茶を手にする機会がありましたら、記事を参考にしていただき楽しんでみてください。