ルイボスティーというと、その独特な味わいや風味、健康に良さそうというイメージが大きいですが、それ以外は実はあまり知らないという人が、多いのではないでしょうか。ルイボスティーの原料や歴史から特徴や効能などを知ると、より親近感が湧いてきて、さらに好きになるかもしれませんよ。
ルイボスティーってどんなお茶?
■ルイボスティーとは?
ルイボスとは、南アフリカ共和国のケープタウンから200キロ離れたセダルバーグ山脈で育つマメ科の低木で、針のような葉っぱを乾燥させてつくられるのが、ルイボスティーです。強い日差しと朝晩の寒暖差が30度を超える、この地域でしか栽培することのできない希少な飲み物で、かつてアメリカやオーストラリアでも栽培を試みたこともあるそうですが、うまくいきませんでした。ルイボスはマメ科の植物であり、茶の樹(ツバキ科)からつくられているわけではないので「紅茶」ではありません。
■ルイボスティーの歴史
元々は南アフリカの先住民族であるサン族・コイコイ族が、健康や治療のために飲んでいました。その後、1900年初頭に紅茶の栽培に長けていたベンジャミン・ギンズバーグがこの地域を訪れ、ルイボスティーを飲んでいる人たちが年齢より若く見えることに気づき、商業化を推進したそうです。そうして宗主国であるイギリスとオランダに広がり、さらに海外にも輸出されるようになりました。南アフリカでは、ミルクと砂糖を入れて飲むのが一般的だそうです。日本に入ってきたのは1980年代ごろだと言われています。
■ルイボスの語源
宗主国だったオランダの言葉、「rooi」(赤い)と「bos」(藪)を組み合わせて「ルイボス」と名づけられました。
ルイボスティーの特徴
日本ではルイボスティーというと、赤いお茶を連想する人が多いですが、実は「レッド」と「グリーン」の2種類のお茶がつくられています。まずは親しみやすい「レッド」からご紹介しましょう。
■レッドルイボスティー
日本でおなじみのもので、香りや味わいが独特なので好き嫌いがわかれるかもしれません。ほんのり甘みがあり、香りと味わいが濃厚ながら後味がすっきりしているのが特徴です。「グリーン」と違うのは「レッド」の茶葉が発酵されているという点です。葉の収穫後、天日干しや熱風をあてて発酵させます。
■グリーンルイボスティー
元々、ルイボスは発酵しやすい植物なのですが、それをあえて発酵させないように手間をかけてつくられたのが、グリーンルイボスティーです。そのため、レッドより希少で流通も少なく、値段もより高価になります。発酵しないため、栄養成分が失われず、レッドよりあっさりとした味わいです。
■柔軟性
どんな料理にも合い、すっきりとした後味を残します。また、ホットでもアイスでも楽しめ、ブレンドティーとしても人気です。柑橘やベリーなどの爽やか系からキャラメルなどの甘い系とも合います。フルーツのジャムと組み合わせるのもおすすめですよ。
ルイボスティーの効能
ルイボスは高原地帯にあること、年間の雨量も少なく、朝晩の気温差が30度以上になるという厳しい環境で育っていることから、さまざまな栄養や成分を豊富に含んでいます。そんなルイボスティーの効能をご紹介しましょう。
■抗酸化作用
活性酸素の増えすぎを防ぐスーパーオキシドジムターゼ(SOD酵素)やフラボノイドなどが含まれているため、美容や老化、病気予防に効果が期待できます。
■むくみ
尿作用を促すカリウムと血管の働きをよくするルチンが含まれているため、むくみの改善が期待できます。
■リラックス効果
ルイボスに含まれるマグネシウムには、神経の興奮を抑えて精神を安定させる力があります。温めて飲むと、身体も温まって睡眠もとりやすくなるため、寝る前に飲むのもおすすめです。
■アレルギー症状の緩和
SOD(スーパーオキシド・ジスムターゼ)には抗ヒスタミン作用が含まれ、フラボノイドにもアレルギー症状の緩和作用があると言われています。
■血圧の調整
マグネシウムには体温や血圧を調整する力、カリウムは高血圧の予防を行う力があります。
■便秘改善
マグネシウムには腸の水分を集め、便を柔らかくする効果があります。
ルイボスティーのもつ強い生命力が、私たちの健康をサポートしてくれるということがわかっていただけたのではと思います。コーヒーや紅茶、緑茶などと違ってノンカフェインであるため、妊婦の方も含め、すべての人が安心して飲めるのも魅力です。日常的に飲んで、ぜひ健康に役立てたいですね。